業務マニュアル作成セミナー「標準のルーツ」フォードシステムの光と影

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 世界的な金融不安が発生する数ヶ月前に,ある経営誌で気になる一文を目にしました。それは<アメリカ経営学は,人間を科学的に管理し,仕事を単純化,標準化,専門化させることにより,同じ製品を大量に造ることに成功し,世の中を豊かにし,消費は美徳と教え,大量消費する経済至上主義社会を作り上げた。
 その結果,工場で働くことは,管理者によって与えられた作業手順にしたがって,同じ動作をくりかえし,人間から思考と言葉を奪い,8時間を無口で働くことを強要した。・・・


上述の<人間を科学的に管理>とは,テーラーの科学的管理法
を,<仕事を単純化,標準化,専門化させた>とは,フォード・システムを指しています。そこで,フォード・システムを,おさらいしてみます。


 フォード・モーター(Ford Motor Company)の創立者ヘンリー・フォードは,大量生産方式の先駆者でもあります。彼はエジソン電気会社のチーフエンジを経て,1903年にフォード・モーターを創立し,1908年に頑丈な4気筒,魅力的なデザインと最高時速72km,中産階級でも手がとどくお手頃価格850ドルのT型モデルを世に送り出しました。

 このT型モデルは大好評で,初年度に1万台強販売という大ヒットとなりました。これを契機として同社は業績を伸ばし,今日のフォード・モーターにつながる躍進の基礎を築きました。

 フォードは生産面でも新機軸を打ち出しました。1913年,標準化され互換性のある部品を使っての<部品の標準化>,テーラーの「課業」の標準化による<作業の標準化>を組み合わせて,流れ作業による組み立て生産システムを開発・導入しました。これが,今日の大量生産の原型となるフォードシステムです。

◇フォード・システムの光と影 
 このシステムは,作業工程を細かく分割し,個々の作業者の作業領域を細分化・限定しています。つまり,作業者は,標準(マニュアル)にしたがって,単純作業を行うこととなります。
 これにより,分業体制が確立し,作業者個々人の裁量は許されず,作業は単純化し,作業者はロボットに過ぎないものにしたわけです。こうした,フォード生産方式-作業の単純化-は,チャップリンの映画『モダン・タイムス』で漫画風に描かれ風刺され,非人間的なものづくりのしくみとしても知られる所となりました。
         ◇          ◇
 フォードシステムにより,生産の効率化は実現しました。だが,労働者のモチベーション低下という新たな問題が生じました。
 流れ作業に上る大量生産方式導入後,それまで月40%だった離職率が60%台へ上昇し,在職者の労働意欲の低下といった深刻な弊害を招きました。その最大の原因は,①流れ作業の単調さと,②労働者への生産割当が増加し続けたことにあります。 
 
 そこで,同社は離職対策として,当時標準的賃金であったた日額2ドル50セントを5ドルに割り増しすることによって,労働者の不満解消を図りました。

 こうした経験から,ヘンリー・フォードは,<利潤を追求せず労働者を高賃金で報いるべきである>という経営理念を掲げるようになります。
 労働の苦痛を高賃金で代償するというしくみは,同じような悩みを抱えた大量生産方式を導入したメーカーにみを抱えた大量生産方式を導入したメーカーにも採用されていくこととなりました。

 その普及は,大衆(労働者階級)の可処分分所得を増大させ,商品をより多く売ることで価格をさげ,それがまた消費量をのばすという,アメリカ型の大量生産・大量消費社会を実現することになったともいわれている。この経営手法は後にフォーディズムと呼ばれるようになりました。

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