厚生労働省 毎月勤労統計問題 不適切マニュアル作成は03年,不正調査は04年から

毎月勤労統計問題 不適切マニュアル作成は03年 不正調査は04年から
            sorce:毎日新聞電子版 2019年1月17日

 厚生労働省が公表する「毎月勤労統計」の東京都内分が本来認められない抽出調査で行われていた問題で,不正な調査を容認するマニュアルは2003年に作成されていた。不正調査は2004年に始まっており,担当部署が前年から抽出調査に切り替える準備を進めていた疑いがある。

 毎月勤労統計のルールでは,従業員500人以上の事業所は全て調査することになっている。問題発覚後,同統計を担当する「雇用・賃金福祉統計室」を確認したところ,「500人以上の事業所は東京都内に集中しており,全数調査でなくても精度の確保は可能」という趣旨のことが書かれたマニュアルが見つかり,03年に作成されたことを示す記述があった。

 厚労省が16年10月27日付で総務省に提出した調査手法に関する書類に「500人以上の事業所については全数調査とする」と明記していたことも,総務省の資料で判明した。政府統計を所管する総務省の統計委員会の部会でも,当時の担当参事官(課長級)が「全数調査を継続する」と説明していた。04年から不正な調査を続けていながら,厚労省側は公的な場で虚偽説明をしていたことになる。



>>>毎月勤労統計の不適切調査問題で,日本の統計への信頼が揺らぐ事態に
          sorce:NHKニュース

 厚生労働省の毎月勤労統計調査で賃金上昇率が高めに出ている問題はすでに2018年夏あたりにエコノミストなどから指摘されていた。

 9月29日付けの西日本新聞によると,

「1月に統計の作成手法を変更した影響で数値が高めに出ていることや,公式統計値より実勢に近い「参考値」を十分に周知できていない現状を踏まえ,公表資料の拡充や発表手法の改善を検討する。公式統計値の補整はしない方向。有識者らが公的統計の在り方を検討する政府の統計委員会(委員長・西村清彦政策研究大学院大学特別教授)に同日報告,了承された」,とある。

 ところが,その後も同統計の正確性を疑問視する声が根強かったため,総務省は独自の分析作業を継続。調査対象としている事業所の従業員規模ごとの数値を精査したところ,500人以上の大規模な事業所群で不自然な数値の上振れが見つかり,同12月10日に厚労省側に照会した。厚労省側は同13日,統計委の西村清彦委員長も交えた非公式会合で,東京都の500人以上の事業所で抽出調査をしていたと「告白」した(1月15日付西日本新聞)。

 毎月勤労統計調査では,500人未満の事業所については対象事業所を厚生労働省がサンプリング(抽出)して実施しているが,500人以上の事業所は「全数」調査することになっている。しかし「実は,全数調査じゃない」ことが判明したのである。

「東京都で調査対象となる約1400のうち,3分の1しか調べていなかった。中小企業に比べれば賃金の高い大企業が抜けていたため,2004~2017年は実際よりも統計結果の賃金が低くなっていた(日経新聞)」

 厚労省が本来の調査方法に近づけるための数値補正を昨年1月に始め,事業所数が少ない前年の数値とそのまま比較した同月以降の賃金上昇率が過大になっていたと考えられる(西日本新聞)。

 つまり,2018年分から本来の結果に近づける加工を施したことになる。これは国が発表する統計への信頼が揺らぐ事態といえよう。さらにこの統計は雇用保険や労災保険の給付額計算の根拠となっていたことから,雇用保険などの差額をさかのぼって支給することによる追加の支給額に加え,その事務にかかる費用なども含め全体の費用は合わせて795億円に上るとされている。また,GDP統計などにも影響が及ぶ可能性がある。

 これは氷山の一角なのか。「実は,全数調査じゃない」との厚生労働省からの説明を受けて,元日銀副総裁でもある西村清彦教授が「重大なルール違反だ」と批判したことが,今回の問題発覚に至ったとされている。日本の統計の信頼が大きく揺らぐ前に,西村教授が進めている抜本的な公的統計改革を行う必要があろう。

 西村教授は今回の件に関するNHKのインタビューで,「政府の統計調査全体に対する信頼が落ちることを最も心配している。統計調査は政策の基本だから,きちんとした調査をしないかぎり,きちんとした政策はできない」と指摘している。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック