ホテルのマニュアル事情 -帝国ホテルにマニュアルはない-

日本のさまざまなサービス業の中でも、一流ホテルのサービスは、体表あるところである。、日本を代表する高級ホテルである帝国ホテルも,そのサービスの細やかさを称賛されている。

 >書籍,ニュースリリースといった公開情報から,ホテルのマニュアル事情を探ってみます。-その1.帝国ホテル東京の場合



帝国ホテルの不思議 (文春文庫)』 より  出典:松村友頳著 日本経済新聞出版社刊 p29-p35 

客室課マネジャー小池幸子
バスタブに体を横たえると、トイレの内側の汚れがよく見える


 帝国ホテルへ足をはこぷことの多い人は、ロビーで客を迎えあるいは送り出す、明るく気さくな感じの着物姿の女性を、何度か目にされたことがあるかもしれない。彼女が、ホテル内で多く賓客・顧客と接する時間をもつ、〝特別社員″でもある客室課のマネジャー小池幸子さんである。
 一九四二年埼玉県生まれ。六一年に帝国ホテルに入社、旧本館のライト館、東館と呼ばれた第二新館で、客室課メイド勤務。八九年に本館第一支配人となり、帝国ホテルで育児をしながらの女性管理職第一号となった。九七年、迎賓館担当客室マネジャー、帝国ホテルのアテンダント支配人となり、国賓の接遇に責任者としてあたった。二〇〇二年に定年を迎えたが、引きつづき特別社員として、賓客・顧客の接遇にあたっている……これが小池さんの入社以来今日にいたる、大筋な経歴だ。

       (中略)
   
 客室課の仕事はおびただしい数にわたっているが、その中で客室の掃除は最重要の作業だ。前泊した客の痕跡を、いっさい残さないことが鉄則であり、これが〝おもてなし″の大前提であると、小池さんは言う。「前泊客の痕跡を探るための教則本やマニュアルなどないから、自分の五感をたよりにするしかないんです」、と小池さんは言いきる。たとえばにおいは、数秒後には慢性化して何も感じなくなってしまうから,部屋のドアを開けた瞬間が勝負だという。臭覚に全神経をそそぎ、におい対策を講じるにしろ必要かあるや否やの判断を、一瞬のうちにしなけかばならない。換気設備がととのっている現在は、それほど頻繁に問題が生じることはない。だが、香水、葉巻、ルームサービスの料理の中の香辛料……それらのにおいが残っているのを感じた場合は、即座に脱臭機を稼動させる。さらに念には念を入れる意味で、チェックインの当日には、消臭スプレイを何回か定期的にまいて、前泊客のにおいを完全に断ち切る。



帝国ホテルの不思議 (文春文庫)
文藝春秋
2013-12-04
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帝国ホテル流 おもてなしの心客室係50年 (朝日文庫)
朝日新聞出版
2013-12-06
小池幸子

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