「フジテレビ〝炎天下リポート問題〟中継ルール見直しへ」--ルールの役割・効用--


 「フジテレビ〝炎天下リポート問題〟中継ルール見直しへ」という,新聞記事の見出しが目に入りました。ことの次第と顛末は,以下の通りです。


 8月19日放送のフジテレビ系「直撃LIVE!グッディ」で京都の酷暑を中継した女性リポーターが「フラフラする」「暑くて頭がボーっとしています」など熱中症とみられる症状を訴え「(スタジオに)お返ししますね」と〝途中棄権〟。

 これに対してスタジオの安藤キャスターが「返しちゃうの? 私,返されたのね」と大笑い。ことの重大さに気付かず「えーと,もう1回お返ししていいですかぁ」と陽気に中継を続けさせようとしたことで,批判が殺到した。

 フジテレビは,この〝炎天下リポート問題〟を受け,中継ルールの見直しを行うという。

内部関係者によると「当面の間,炎天下のリポートは積極的にはできない。車中から中継したり,日傘をさしたり,水タオルを首に巻くなど,視聴者の目に見える形で熱中症対策を講じなければいけなくなる」という。


 〝ルールとは?",とは・・・・・


 「ルール」について,戦後を代表するジャーナリスト草柳大蔵氏(1924年- 2002年)が,著書『日本人のお行儀』で,社会生活の観点からルールの役割と効用について,いまの時代に通じる,示唆に富む持論を披露しています。


『日本人のお行儀』(200-202ページ) 草柳大蔵著著

作法は、何故、必要なのか

作法」とは何か。字句の解釈よりも、まず、江戸時代の町人がどんな心がまえで暮らしたか、その具体例を紹介したい。

 江戸の人口は最高時で百万、世界一の過密都市であったといわれている。

家屋は密集し、道路の幅はせまい。町人の住む下町は尚更のことである。ところが、人々はそのせまい空間を右往左往しながら、ぶつかりあうことがなかった。彼らの間に 「江戸しぐさ (仕草)」と呼ばれる動作があったからだ。

 肩ひき。通を歩いていて向こうから人がくると、右肩をちょっとひいた。相手も右肩をひくから、肩と肩がぶつかりあうことがなかった。

 傘かしげ。雨の日に傘をさして歩いていると、向こうからやはり傘をさした人が来た場合、お互いに傘を左側にすこしかしげて、傘と傘がぶっからぬようにした。

 つまり、作法は、お互いが社会生活を送るうえでのルールと考えていいだろう。

 ルールは何故必要なのか。たとえば、交通信号を考えてみればよい。信号に従わなければ、交通渋滞をひき起こしたり、ときには衝突事故を起こしたりする。結局、信号を守りあうことによって、それぞれが効率的な移動をすることができる。赤信号で停車するというルールは、青信号になったら効率よく走るためにあるわけだ。このように考えると、作法は効率のためにあるということになる。

 電話をかける。相手が出る。自分の名前を名乗る。そこからがルールだ。


>>>>草柳 大蔵(くさやなぎ だいぞう、1924年(大正13年 - 2002年(平成14年))は,日本の評論家、ノンフィクション作家、ジャーナリスト )。
 日本の週刊誌ジャーナリズムの草分けとして、政治経済から文化芸術に至るまで幅広く取材し、世間の話題をさらうトップ記事を連発し,週刊誌報道のスタイルを確立した。昭和37年頃から評論家としての、人物論、芸術論、社会時評、ルポルタージュなどの著作活動のほか、マスコミ界を中心に多彩な活動を続けた。平成14年7月22日ご逝去。


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