スーパー店長犯恐喝容疑で逮捕を事例に -万引き対策マニュアル-2

 今年4月,377円相当の商品を万引きした男性に「1年の被害額は109万円だ」などと迫って現金50万円を脅し取ったとして、スーパー「トライアル倉敷店」の店長や保安員ら3人を恐喝容疑で逮捕された。
 トライアルのマニュアルには過去の被害額を請求することは定められておらず、3人がマニュアルを逸脱していた可能性のあることがわかった。
 被害者側のスーパーにも言い分はあろう。この事件を題材に「万引き対策マニュアル」について考えてみたい。 
 
 本論に入るに当たり,逮捕者を出した「トライアルカンパニー」(本社 福岡市)の経営の概要と,同社の見解を確認しておく。



◆株式会社トライアルカンパニー ( Trial Company ,Inc. )
・創業 昭和49年4月 設立 昭和56年7月 資本金 19億4995万550円
・従業員数(グループ) 社員 2,778名 アソシエート 12,287名(2010年6月現在)
・本社所在地 福岡市東区多の津1-12-2 トライアルビル

 決算月     売上高    店舗数
2002年9月期    216億円    15
2003年9月期    459       25
2004年9月期    651       31
2005年3月期    421       38
2006年3月期  1,053       48
2007年3月期  1,300       58
2008年3月期  1,504       75
2009年3月期   1,711       90
2010年3月期   2,096       107

▼トライアルカンパニーの経営
 トライアルカンパニーは,福岡県を中心にスーパーセンターを展開し、10年3月期は売上2,000億円を突破という,急成長を遂げている企業がある。
 同社の主力業態は約60店舗を展開する食品を核に、衣料、住関連の商品も幅広く品ぞろえするスーパーセンターである。これ以外にもメガセンタートライアル、トライアルマート、ディスカウントコンビニトライアルといった業態を商圏に応じて展開している。
 なお同社の売上総利益は15%と極めて低い粗利率である。低粗利率で利益を出してゆくには、ローコストの仕組みが必要であり、トライアルカンパニーの販売費及び一般管理費をみると、売上対比14台で15%を切る驚異的な比率である。
 ローコスト経営の本家ウォルマートでも18%を超えていることから,この14%台は驚異的に低い数字といえよう。

 弊社倉敷店従業員逮捕の件」 平成22年4月7日


 平成22年4月5日、弊社トライアル倉敷店(岡山県倉敷市玉島)の店長、副店長と警備業務委託先の従業員1名が万引き客への恐喝の容疑で逮捕されました。また本件につきまして、本日、岡山県警から弊社本部に対して家宅捜索を受けました。
 万引きが多くの小売業で看過できないほど経営に打撃を与えているという事実がありますが、この問題は、低価格で地域のお客様の暮らしへの貢献を目指す弊社にとって、非常に重要な問題であり、年間8億円から10億円の万引き被害を受けているという現実があります。このため弊社内では、万引き客に対しては、法的に可能な範囲で厳正に対処する方針を通達しております。また、昨今の万引き対策の厳罰化の流れを参考に、昨年11月より万引き時点の損害額に加え、万引き客の対応にかかった従業員の人件費相当額を請求するという運用を行っております。
 今回の件は、逮捕された3名が私腹を肥やすために行ったものではございませんが、過去分の請求に至った経緯など社内でも調査を進めております。
 現在はまだ警察当局の捜査段階であり、詳細をご報告できる状況にありませんが、多くのお客様、お取引先様をはじめとする関係各位にご心配をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます。

「2010/04/10  弊社倉敷店従業員逮捕の経緯

 弊社では、年間8億円から10億円の増え続ける万引きの被害に苦しめられており、また、この対応のため、年間5億円近い警備費用を余儀なくされています。
 そのようなおり、日本経済新聞(2009/10/2)、福井新聞(2008/7/1、2008/9/20)などに掲載された報道で、書店やスーパーでの万引き犯への厳罰化に、万引きの抑止効果があることを知りました。弊社としても、万引きという犯罪の抑止には、単に商品だけの被害に留まるものではないことを理解してもらうことが重要と考えました。
 その取り組みをスタートさせるため、対応従業員の人件費も損害賠償として請求するための運用マニュアルを社内で作成しました。社内の取り組みとして、万引き犯罪に関しては、額の大小、再犯の有無にかかわらず、逐一警察に通報すること、そして単に万引きした商品の代金を支払っていただくだけなく、逃走などで破損させた設備修理費や警察への立会い等に要した人件費分の請求も合わせて行うことで、店側の被害が単に商品代金だけに留まるものではないことの理解に努めるよう通達しました。ただし、今回問題となっているような過去分の余罪について追求し、請求する内容は、マニュアルには盛り込まれておりません。
       (以下略) 全文はトライアルカンパニーHPで。


 ◆トライアル-バックナンバー




◇関連HP マニュアル講座

1 マニュアルセミナーQ&A

2 
お問い合わせ先:産能マネジメントスクールへ 0120-113644

   会場(東京・代官山


産能大セミナー(東京) 開講日程
第59回 2010年  8月23日~24日
第60回 2011年  3月 1日~ 2日


産能大セミナー(大阪) 開講日程
第2回 2011年 2日 7日 8日



◇関連HP マニュアル講座

マニュアル作成に役立つ参考図書(全100冊リストアップ)-アマゾン通販
 http://kobayashi.clever.mepage.jp/manual/manual-book.htm


この記事へのコメント

「南の島 九州 達磨」
2017年08月18日 12:03
万引きしたら 下記の条件で 請求すると
玄関に大きく 明示したら?
万引き額が 年間 数億円は
トライアル全店の合計? 
そこも明示して だから万引きで
損害を 貰うと  予告で
万引き 防止になるかも?

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